日本では週40時間を上限に、就業していただくことができます。
36協定(労使協定)を締結すれば、一日8時間、週40時間を超えてより多くの時間、就業いただくことが可能です。
「週40時間を上限」なので、本来は週40時間未満でも良いハズですが、現実は週40時間の上限一杯勤務が前提になっています。
かつ36協定の時間外労働時間一杯いっぱい(月45時間・年360時間の残業。更には特別条項の年720時間以内)まで働かされるなんてザラだと思います。
管理職にもなると、勤務時間も自己裁量になり、上限時間なんてあってないようなものです。
少なくとも一日の1/3は仕事(勤務時間)に費やしており、準備や移動時間なども含めると、より多くの時間を割いていると思います。
その仕事でつらい気持ちになるのって、長時間かつ逃げ場が少ないので、本当に辛いと思います。
難しいことだとは思いますが、理想は楽しく仕事ができるのが一番だと思います。
プロフィールに記載の通り、仕事上で体調を崩して何度も救急車で運ばれたりもしました。
少しでもストレスを低減し、楽しく充実感を持って過ごせるよう、いま自分が仕事の中で意識していること「5つ」をピックアップしてみました。
1. 完璧主義は辞める
100点満点ではなく、80点で良しとする
頼まれた仕事はきちんと、納得が行くレベル感に仕上げたい、という気持ちがありました。
自分で自分のことを完璧主義だと思っていませんでしたが、恐らく周りから見ると完璧主義者の部類に入っていたんでしょうね。
仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
パレートの法則 – Wikipedia
よく見かける「パレートの法則」の曲線にもある通りです。
下図のように、成果曲線は初め右肩上がりに急上昇を描いていきますが、80%を境にあとの曲線はなだらかになり、時間あたりの上昇効率は非常に悪くなります。
どこでどのように、誰向けに使用するものか、などのメリハリは必要になりますが、「80点でよし!」「場合によってはそれ以下でもOK!」で大丈夫な場所や資料などを幾つか作れると、普段の気持ちが幾分も楽になります。時間にも心にも余裕が生まれ、自己コントロールの範囲も広がると思います。
具体的に例を上げると、「社内会議(特に定例のもの)」などは、80点で良し!とする取り組みとしてトライしやすく、かつ定着させやすいと思います。
資料の出来栄え(見栄え)で誰かに責任を取って貰う必要もなく、自己責任で済みます。というか、よほどのことが限りは何も言われないでしょう。
社内の定例会議のほかは「何かを決定するための判断材料」に使用する場合の資料でしょうか。プレゼン等はしっかりと体裁も整えた等が良いと思いますが、そうでない場合は趣旨・意図が伝われば良く、過剰な作り込みは不要だと思います。
また、資料や報告書などを作る際、ひとりで完成まで持っていくのではなく、ある程度のところで上司や周りの人に一度目を通してもらい、方向性や内容を修正して進めることもあることと思います。
そういったチェックを依頼する際の出来は、60%程度の出来で十分かと感じます。
(上司側の視点で見ると、なるべく早い段階で方向性を一度確認したいですよね)
最初の20%で、結果の80%を生み出します。
次の20%(累積40%)で、結果の90%を生み出します。
次の20%(累積60%)で、結果の約93%を生み出します。
2. ボールは持ち続けない
自分がボールを持ち続けている限り、全てが止まる
何かを聞かれたり回答を求められた際、恐らく完璧な答えを返そうと熟考してしまい、期限の時間を目一杯使うことが常でした。
前述の「80点で良し」の考え方と同じように、あまり考え過ぎずに、まずは返すようにしました。
なるべく早く返すことで、その分相手も仕事を先に進められるし、その作業や思考を手元から離れさせることで、自分もそのことを一度忘れて別のことに集中できます。
仕事の出来がよくて遅いよりは、出来はわるくとも速いほうがよい。
巧緻は拙速に如かず – goo辞書
「巧遅は拙速に如かず」という言葉があるように、ある程度のスピード感を持って対応すると、意外と相手からも好印象を持たれるように思います。
例えば自分が何かメールで尋ねたとして、その返事が1時間後に来るのか翌日に来るのかで、相手への印象の持ち方も変わるものでしょう。
また、ボールを素早く打ち返し続けることで、会話の主導権がこちらのコントロール下に置きやすいです。
自分でコントロールできるものが増えると、ストレスも軽減されてメンタル的にも良い側面があります。
実際にそう対応を変えるようにしてからは、仕事の待ちの時間が減り、ボールを持っている間(主に仕事が終わった後)に考え続けることもなくなり、気持ちの切り替えもできてストレスもだいぶ減ったように思います。
「ボールを早く返す」際の注意点は、次の2つでしょうか。
前者は時間と脳リソースの無駄遣いに、後者はそれが相手や関係者にも影響を与えてしまうため、避けたいところですね。
- メールやチャットを頻繁に確認してしまう
- 早く返そうとするばかり、受信通知が着ていないのに、何度も何度も受信ボックスを開いてみたりすることがあります
- 定期的にメールを見るタイミングを決めておき、その際にまとめて確認・返信すると良いと思います
- 内容がおざりになってしまう
- 返事を急ぐばかり「答えになっていない(ズレ)」「相手の質問に対して網羅できていない(漏れ)」などが起こってしまい、相手からの追加質問が多くなってしまい、相手の負担を増やしてしまうことがあります
- まずは相手の求めることをしっかりと把握したうえで、ズレや漏れがないように心がけたいですね
- 相手の質問文に対し、インライン形式などで返していくと、少なくとも漏れは防げるように思います
3. 餅は餅屋
自分よりできる(得意な)人に助けてもらう
いつも自分が得意な仕事だけではなく、不得手な仕事を依頼されることもあります。
他の人に丸っとお願いできれば楽ですが、なかなかそうはならずに、自分で対応することになるとは多いと思います。
その時に、全てを一人で対応するのではなく、調べても答えが出ない・わからないといったときには、そのまま悩み続けるのではなく、ある程度の方向性や答えを持てたら、自分よりも得意としている人に相談してみるのも一手です。
責任感を持って、自分ひとりに与えられた仕事をひとりでやり切ろうとするのは、一見素晴らしいように思います。
しかし「独り」で対応しようとすると時間がかかりますし、視座・視野も広げることが難しく、自分1人分の力しか発揮できません。
何かしらの組織に属しているのであれば、組織の力を発揮することが大切だと思います。
謙虚で素直な気持ちで助けを請えば、思ったよりも喜んで助けてくれるひとが多いものです。
人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。
返報性の原理 – Wikipedia
「返報性の原理(法則)」にもあるように、誰かが困っているときは、普段から手を差し伸べていきましょう。
そして自分が困っているときには得意な人に助けてもらう。ギブ&テイクな関係性で、うまく組織の力を活用していくと良いと思います。
個人的には、強がらずに「弱みを見せる(開示する)」ことも大切にしています。
注意点としては、「何事も頼り切らない」「自分でもある程度調べる、考えを持っておく」ことでしょう。
丸投げと思われないよう、必要最低限は調べたり考えたりしてから、相談しに行きたいですね。
(何も見ていない・考えていない、のは流石に問題外だと思います…)
4. 一人で抱え込まない
2つの勇気・・・断る勇気!頼る勇気!
自分が受けた仕事は自分ひとりで完結せねば、と思っていました。かつ断ることもできなかったため、依頼されたものはとりあえず引き受け、仕事は山積していく一方で…
残業しても終わらず、睡眠時間や休日を削って仕事をしていましたが、当然ながら十分なパフォーマンスとはならず、体調も崩して良いことはあまりありませんでした。
キャパシティを超えそうなときは新しい仕事を受けないなど、断る勇気が必要です。
断る理由や代替案を添えて話せば、案外分かってくれるものです。
普段から周りの人にも業務状況を共有しておくと、事情を説明する際にスムーズかもしれませんね。
また、アサーティブなコミュニケーションを勉強するのも効果があると思います。
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あとは重複しますが「人に助けを求める」「他の人にお願いする」なども有効だと思います。
他の人から相談や助けを求められたとき、少し無理してでも助けようと思ったことはありませんか?
あなたがそう思うように、周りの人も同じような気持ちを持っていると思います。
案外「あなたに助けて欲しい」と言われると、人は助けてくれるものです。
そのためにも、普段から周りの人に親切心を持って接していたいですね。
社会で最も成功しやすいタイプは「他者志向型ギバー」
ギバー、テイカー、マッチャーとは|特徴とギバーになるためのポイントを紹介 – Manabuライブラリ
5. 仕事の中で自分だけの楽しみをみつける
誰かの評価に左右されない、自己評価で満足感を得る
初めて就職したときに、後輩に伝えた言葉で、今でも大切にしています。
どんなに好きな仕事でも、あまりやりたくないと思う仕事があったりするものです。
どんなに好きな仕事でも、誰かから評価されるため、他人の評価を気にしがちです。
他の人がどう思うか、どう評価されるかはとは全く関係なく、自分自身が好きで楽しいと思えることを、仕事の中で見つけましょう。
たぶんこんな言葉を投げかけたと思います。
日々の仕事の中で、自己評価で取り組めるものがあると、毎日充実感・達成感を得ることができます。
その積み重ねが自己肯定感につながって、自信と自分の中の軸が少しずつ積み上がっていくのかなーなんて思います。
最近聞いた話ですが、フロー状態には脳疲労を回復させる効果もあるとのこと。
特に管理職になると、自分ひとりの作業に没頭する時間を作ることは難しいですが、「自分が好きで楽しいもの」であれば、短時間でフロー状態に入りやすいと感じています。
人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。
フロー (心理学) – Wikipedia
あとはタスクを細かく分解し、そのタスクをポモドーロ・タイマーなどを活用してゲーム感覚で取り組んでいくと、仕事も面白く取り組めるなーと思いました。
仕事内容は面白くなくても、「仕事(タスク)の時間内に終わらせる」ことへの取り組みが面白いのですw
また、プロジェクト単位→タスク単位に細分化しているため、「いざ開始する際の心理的負担が少なく手がつけやすい」こともメリットの一つだと思います。
1980年代にイタリア人のフランチェスコ・シリロ(フランチェスコ・チリッロ、伊: Francesco Cirillo)によって考案された時間管理術。
このテクニックではタイマーを使用し、一般的には25分の作業と短い休息で作業時間と休息時間を分割する。1セットを「ポモドーロ」と呼ぶ。これはイタリア語で「トマト」を意味する言葉で、シリロが大学生時代にトマト型のキッチンタイマーを使用していたことにちなむ。
ポモドーロ・テクニック – Wikipedia
最後に
いま自分が仕事で気をつけていることってなんだろう?
そう思い返してパッと出てきた5つをまとめてみました。
これだけではないですが、倒れたときよりも気持ちが楽になっているのは事実です!
ひとによって合う・合わないはありますので、全てが当てはまるわけではないと思いますが、何か一つでも、みなさまの参考になれば幸いです。
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